フードデリバリーにおける正しい知識を身に付けたプロフェッショナルの育成を目的とした『フードデリバリーエキスパート検定』。出来れば年内か来年の早い時期の運用を目指して、現在試験問題や各種規定を鋭意制作中です。
前回のブログでは実際に試験で登場予定の、配達に関する問題をご紹介しましたが、今回は食品衛生に関する問題を少しだけご紹介します。
【問題1】
食品衛生の基本は手洗いですが、手洗いの正しい手順は?
a. 中性洗剤で手洗い⇒アルコール消毒
b. お湯で手洗い⇒アルコール消毒
c. 流水で手洗い⇒アルコール消毒
【答え】
a
【解説】
パッと見は綺麗に見えても、流水やお湯だけでは手に付いた菌が落としきれないので、中性洗剤を使って爪の間や手首、指と指の間もしっかり洗ってから丁寧に洗い流しましょう。手洗い後は、清潔なタオルで拭き取り取るなどして手をしっかり乾燥させてからアルコール消毒をするとより効果的です。
【問題2】
調理器具の管理で正しいものは?
a. まな板や包丁などは食材ごとに使い分け、使用後は丁寧に洗浄する
b. まな板や包丁は同じものでいいが、使用後は都度洗浄する。
c. まな板や包丁などは食材ごとに使い分け、使用後は洗浄・消毒・乾燥させる
【答え】
c
【解説】
細菌は調理器具を介して食品に二次感染することもありますので、食材ごとに調理器具を使い分けるのが望ましいです。洗浄する際、特にまな板は菌が包丁傷に入り込んでいて表面だけ洗浄・消毒しても菌が取り切れないことがあるので、傷の目に沿って毛の抜けないブラシなどで洗浄し、薄めの漂白剤(塩素系)で消毒すると良いでしょう。また調理器具が濡れたままだと菌が付着しやすくなるので、必ず乾燥させてから保管してください。
【問題3】
レタスや葉物野菜を扱う際に注意しなくてはならない食中毒菌は何でしょうか?
a. ソラニン
b. サルモネラ菌
c. テトロドトキシン
【答え】
b
【解説】
ソラニンはジャガイモの芽、テトロドトキシンはフグに含まれる毒のことです。サルモネラ菌自体は牛・豚・鶏などの食肉に生息していますが、調理の過程で手やまな板などに付着した菌によって野菜などが二次汚染されることがあります。
食中毒菌は35℃前後が最も増えやすいとされているので、極力生ものを使用せず、加熱した食材を使うのが望ましいです。
ですのでデリバリーで提供する場合は、生野菜を使用したサラダより温野菜をマリネしたりするのがおすすめです。
もし生野菜を使用する際は、肉や魚を切った後の包丁やまな板では調理せず、別のものを用意するか十分に消毒してから調理するようにしましょう。
【問題4】
食中毒菌に汚染された食材の味や匂いはどのようになるでしょうか?
a. 味も匂いも酸っぱい
b. 強烈な腐敗臭
c. 無味無臭
【答え】
c
【解説】
aやbは微生物やカビが繁殖したことによって食品が腐敗したことが原因です。細菌性食中毒を引き起こすには、食中毒菌が存在することが必須となりますので、極端な話たとえ腐敗していても必ずしも食中毒を起こすとは限りません。
ところが食中毒菌に汚染されていたら、どんなに美味しそうな料理や新鮮な食材でも、見た目や臭いは普通のものとほぼ見分けがつかないので注意が必要です。
まとめ
皆さん答えはわかりましたか?しかし本当に大事なのは答えよりもその後の解説です。フードデリバリーは調理後に必ず“配達”という課程が入るため、お客様が直ぐに料理を口にすることが出来ません。ですのでイートインの調理以上に『菌を付けない・増やさない・殺す』という食中毒防止の3原則に気を配る必要があります。
検定試験はあくまで通過点に過ぎません。なぜ答えがそうなるのかをしっかり理解した上で、常に衛生意識を持っていただく事こそが、私たち全国フードデリバリー協会の真の狙いと言えます。
今回、進捗報告の意味も込めてフードデリバリーエキスパート検定の問題をちょこっとだけご紹介させて頂きました。
今後詳細が固まりましたら、こちらのブログやAFDAのホームページでお知らせしたいと思いますので、今しばらくお待ちください。
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